弊社ではNAWABARIというバーチャルオフィスサービスを運営しております。
バーチャルオフィスとはビジネスをする際に法律で活動の拠点として住所を公開することが義務付けられている中、ストーカー被害等を懸念して自宅の住所を公開したくない!という方に向けて、格安で住所を貸し出すサービスです。
元々はネットショップオーナー様に向けて、「月額1000円で都内一等地の住所が特商法欄に使える!」という名目で運営をしておりましたが、最近ではインフルエンサーの方がファンからのプレゼントの受取用の住所にしたり、グッズ販売時の特商法の住所にご利用いただくケースが増えてきました。
AirTagとは?

AirTagはApple社が販売している紛失防止タグと呼ばれるものです。

大事なキーケースやスマートフォン等につけて置くことでリアルタイムで位置情報を見ることができるため、大変便利なアイテムになっています。
AirTag自体にGPSは内臓されておらず、近くにあるiPhoneと通信接続をすることにより位置情報が分かる仕組みとなっています。位置情報の精度はかなり高く、
上記の様に細かい位置情報を見ることができます。
そんなAirTagですが、便利さ故に悪用されてしまうケースが発生しているのです。
Airtagの被害とは?実際のケースをご紹介

インフルエンサーとしてyoutubeやSNSで活動をしていたKさんは、日々動画投稿や動画配信で多くの視聴者を楽しませて、多くのファンがついていました。
Kさんはファンからの手紙やプレゼントの受け取りに、自宅住所は公開できないため、私書箱(一時的に荷物を受け取って保管・転送をしてくるサービス)を契約していました。
そんなある日、いつも通り私書箱に届いた荷物を自宅で受け取り、開封をしていました。
そのプレゼントの1つを開封すると、中にはかわいい熊のぬいぐるみが入っていました。
メッセージカードもなく少し不信に思いましたが、ただのぬいぐるみだったため、家に飾ったそうです。
しかし、その数時間後、いきなりぬぐるみから「ピロピロピロ」とアラームのような音が鳴り始め、その音に気付いたKさんはぬいぐるみに切れ目が入っていることに気づき中身を確認したところAirTagが仕込まれていたのです。
AirTagは近くにiPhoneがある限りリアルタイムで正確な位置情報をつかむことができます。
そのため、音に気づいたときには時すでに遅し、AirTagを悪用して自宅の住所を特定されてしまいました。
結局Kさんは、引っ越しを余儀なくされファンからの荷物は受け取れなくなってしまったそうです。
実際に郵便物に混入させて会社に送ってみた

弊社バーチャルオフィスでも、郵便物の受取・転送サービスを基本プランに付与しているため、このようなケースを防ぐべく実際に会社間でAirTagを送り対策を考えていくことになりました(目黒区自由が丘の事務所から目黒区鷹番の本社へ送付)。
1、レターパックにAirTagを入れてポスト投函で会社に送る
実際のケースでは発送元は架空な住所が書かれていたそうなので、弊社でも発送元の住所は架空の住所で送ってみます。また、個人が特定されないであろうポスト投函で発送をします。
実際のポスト投函の様子。お問合せ番号にはモザイクをかけています。
2、ポスト投函後の位置情報を追ってみた
実際にiPhoneの探すアプリを利用して、AirTagの動向を追ってみます。
翌日ポスト投函の翌日お昼ごろ発送先の最寄りの郵便局で保管されている様子。
AirTagのアイコンは登録する際に鍵やカメラ等付属させるアイテムを選べるのですが、今回はカメラで登録しているためカメラのアイコンがAirTagの所在地になります。
3、会社に荷物が届いたので建造物まで特定できるか検証してみた

事務所に配送され、AirTagはポスト投函されていました。
所在地は本社の前が位置情報で示されていますので、大体のどの建物かは判断がつきそうですね。
ただ、階数や部屋番号の特定は難しそうです。
とはいえどこのマンションに住んでいるかまで特定されてしまっては、ストーカーに実際に出てくるところを待たれたりして結局はバレてしまいますね。。。
4、会社で荷物を保管してみた
実際に会社で保管をしていたところ、スタッフのiPhoneに上記のような通知がきました。
どうやらAirTagの持ち主がいないところで、長時間同じiPhoneと通信をして位置情報を共有している通知がきて気づける仕組みになっているようです。
また、AirTagを受け取って会社に保管をしながらスタッフに通常通り業務にあたってもらったところ、Airtagから数時間おきに通知音が鳴ったとのことでした。
バーチャルオフィスを経由することで未然に防ぐことができる!?

以上の検証を元にバーチャルオフィスNAWABARIでは、如何にしてこのようなケースを未然に防ぐことができるかを検討して、3つの案を実施することになりました。
1、「郵便物内部の簡易金属探知サービス」を導入しました。
バーチャルオフィスNAWABARIでは、荷物をMyページ上で写真付きで確認することができます。Myページでは実際の荷物の写真を見ながら荷物の転送や破棄の依頼を出すことができ、他にも様々な項目があります。

そして、その荷物ごとにチェック項目があり、金属探知機で反応があった荷物には「金属反応有」とチェックがつけられています。

その中で不信に思った荷物があれば、ご連絡をいただければ実際にスタッフが中身を確認してGPS発信機が仕込まれていないかチェックさせていただきます。

2、郵便物保管場所にiPhoneを常駐させる
社内実験によりAirTagの持ち主以外のiPhoneと長時間通信が行われると通知がくる仕組みであることが判明しました。
そのため、郵便物の保管場所に専用のiPhoneを常駐させて、荷物の受取から転送までの2-7日の期間で気づけるよう体制を整えました。
3、通知音に気づける体制
AirTagは持ち主から長時間離れると、数時間おきに通知音がなることも判明しました。
その通知音に気づけるように郵便物の保管場所と常駐スタッフの作業場所の配置を変えて、可能な限り通知音に気づける体制を整えました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
便利なツールが日々増えている世の中ですが、便利な反面悪用をすると今までにない被害が出てしまいます。
バーチャルオフィスNAWABARIでは、副業や個人活動の需要が高まる中、ご契約者様に安心してビジネスに取り組めるよう日々、サービスの品質向上を目指して参ります。
この機会にバーチャルオフィスNAWABARIをぜひご検討ください。