「役員報酬の決め方や相場について知りたい」
「役員報酬と給与の違いについて知りたい」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
役員報酬は、株主総会の決議で決める会社がほとんどです。
また、金額の相場は、資本金の額や男性・女性によって異なります。
給与は会社で働いている従業員に対して支払う報酬であるのに対して、役員報酬は会社の役員に支払う報酬を指します。
この記事では、役員報酬の決め方や給与との違い、注意点などを詳しく解説しています。
役員報酬に関して悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
また、新たに会社の設立を考えている方は、バーチャルオフィス「NAWABARI」がおすすめです。
NAWABARIは月額1,100円で始められ、EC業界関係者が選ぶバーチャルオフィスサービスの1位を獲得しています。
少しでも気になる方は、下記のリンクをチェックしてみてください。
バーチャルオフィスお探しの方必見!
役員報酬とは?わかりやすく解説
まずは、役員報酬の概要や3つの基本的な知識について解説します。
役員報酬とは、役員へ支給する報酬のことです。
役員には、法人の場合は「取締役」「会計参与」「執行役」などが該当し、株式会社の場合は会社法第329条において「取締役」「会計参与」「監査役」が該当するとされています。
また、役員報酬は必ず金銭によって支払われるわけではありません。
それでは、役員報酬の3つの基本的な知識について解説していきます。
そもそも役員とは?
役員とは、組織全体の管理・監督を行う人間であり、会社の中核を担う役割を持ちます。
会社法第329条において定義されているのは「取締役」「会計参与」「監査役」の3役ですが、その他の役員も任意で設置可能です。
役員報酬の対象となるのは、主に以下の方達です。
- 取締役
- 執行役
- 会計参与
- 監査役
- 会計監査人
上記の他にも、監事や理事など法人の経営に従事している人間も役員とされています。
それぞれ役割や位置づけが異なる点に、注意しておきましょう。
役員報酬と給与の違いとは?
役員報酬とは、役員に対して支給する報酬のことです。
給与とは、企業と雇用契約を結ぶ従業員に対して支払う報酬を指します。
給与が全額損金として計上できることに対して、役員報酬を支払う際には下記のような細かい規定があります。
- 毎月同額でなければならない
- 報酬を支給する場合は、届出を出さなければならない
- 変更する場合、3ヶ月以内に実施しなければならない
- 会社設立後、3ヶ月以内に決めなければならない
- 株主総会で決議を行わなければならない
上記で説明した以外にも、役員報酬の支給には給与とは違った規定があるので注意しておきましょう。
役員報酬の平均相場や適正額とは?
役員報酬の平均相場は会社の資本金や性別によって異なるため、金額が定まっているわけではありません。
国税庁のホームページで公表されている「民間給与実態統計調査」によると、役員報酬の平均額は以下のとおりです。
資本金 | 男性 | 女性 | 全体 |
2,000万円未満 | 692万円 | 422万円 | 615万円 |
2,000万円以上 | 1,031万円以上 | 583万円 | 922万円 |
5,000万円以上 | 939万円 | 463万円 | 826万円 |
1億円以上 | 1,092万円 | 544万円 | 1,043万円 |
10億円以上 | 1,686万円 | 735万円 | 1,603万円 |
上記の表から、資本金に伴い役員報酬の金額も増えていることがわかります。
役員報酬が会社の実績や同業他社に比べて高額な場合は、損金算入が認められないことがあるため注意が必要です。
役員報酬の平均相場を確認し、同業他社・同規模の会社と比較したうえで、適切な報酬額を定めましょう。
役員報酬の決め方や時期とは?
次に、役員報酬の決め方や決定時期を解説します。
役員報酬の決め方は会社法第361条において定められており、役員報酬を決める時期は会社設立日から3ヶ月以内とされています。
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
役員報酬の決め方
役員報酬の決め方は、会社法第361条において「定款または株主総会の決議によって定める」とされています。
ただ、役員報酬は一般的に株主総会の決議で定めることが多いです。
小企業や小規模法人では、役員報酬に関して定款に定めていないことが多く、定款に記載がある場合でも「株主総会の決議で定める」とされている場合がほとんどです。
役員ごとに金額を決める方法もありますが、最初に役員報酬総額を決めたあと、役員ごとの内訳を決める方法もあります。
また、役員報酬を損金で計上するためには議事録を作成し、記録を残さなければなりません。
作成した議事録は税務調査で確認される可能性があるので、忘れず作成しましょう。
役員報酬の決定時期
役員報酬の決定時期は、会社設立後または事業年度開始日から3ヶ月以内と定められています。
役員報酬を決める時期が3ヶ月を超過すると、損金に算入できなくなり、納税額が増えてしまいます。
一度決めた役員報酬は、事業開始日3ヶ月以内または会社設立日であれば一度のみ変更可能ですが、それ以外は年度内の変更は認められないため注意が必要です。
売上の見通しがつかないうちは役員報酬の適正額に困ることもありますが、税金に関わる大事な工程なので、慎重に考えて決めましょう。
損金にできる役員報酬の種類
損金にできる役員報酬には下記の3つの種類があります。
損金として算入できる要件が異なるため、しっかり理解しておきましょう。
それでは、損金にできる3つの役員報酬について詳しく解説していきます。
①定期同額給与
定期同額給与とは、毎月一定額支払われる報酬のことです。
税務署へ特別な届出を行う必要はなく、毎月一定額を支払うことで損金として算入することが認められます。
原則、役員報酬は、定期同額給与として支払うことが一般的です。
株式会社の場合は、取締役会議事録もしくは株主総会議事録を作成・保管後、毎月同じ額を定期同額給与として支払い続けます。
何か特別な事情がない限りは、報酬金額の変更はできないため、注意しましょう。
②事前確定届出給与
事前確定届出給与とは、事前に税務署に提出することで損金として計上できる役員への賞与のことです。
原則的に役員への賞与は、損金として認められません。
しかし、届出書の対象者・支給金額・支給日の欄に前もって記載し、記載通りに支給することで損金に算入できることが認められます。
税務署へ届出書を提出する期限は以下2つの条件のどちらか早い日と決まっています。
- 株主総会や取締役会議で決議した日から1ヶ月以内
- 事業年度開始日から4ヶ月以内
事前に税務署への届出を行わなければ損金として計上できないため、注意が必要です。
③業績連動給与
業績連動給与とは、会社が得た利益や業績に連動して決定する役員報酬のことです。
平成29年度に行われた税制改正以前は、利益連動給与と呼ばれていました。
業績連動給与の支給には、下記の要件を満たさなければなりません。
- 有価証券報告書に記載されている指標をもとに客観的な算定がされていること
- 同族会社ではない内国法人であること
- 利益確定後、1ヶ月以内に支払われた、もしくは支払い見込みであること
日本の中小企業のほとんどは同族会社であるため、業績連動給与の支給が可能な中小企業はごく一部です。
また、非上場の会社では、業績連動給与の支給が難しいことも覚えておきましょう。
役員報酬を変更できる2つのタイミング
原則役員報酬は変更できませんが、下記の2つのタイミングであれば変更が認められる可能性があります。
役員報酬を変更できるタイミングは、主に役員の地位の変更時や業績悪化時のみです。
それでは、役員報酬を変更できる2つのタイミングについてわかりやすく解説します。
役員の地位や職務内容が変わった時
職務内容や役員の地位が変わった際は、役員報酬の増額が認められます。
退任した役員の仕事を引き継いだときや、役員が社長になったときなどが当てはまります。
しかし、名義のみが変わり実際の職務が伴っていない場合は、税務署から不正と判断されることもあるため、注意が必要です。
また、定款で定められている役員報酬総額の支給限度内でのみ増額可能なため、不当に高額な報酬額にすることは避けましょう。
業績が悪化したとき
会社の業績が悪化したときには、役員報酬の減額が認められます。
規定には、業績がどの程度悪化した場合といった指標がありません。
しかし、業績悪化に伴った従業員や株主への影響を考えたうえで、役員報酬を減額しなければなりません。
下記のようなケースは役員報酬の減額が可能です。
- 株主との関係上、経営上の責任から役員報酬を減額せざるを得ない場合
- 取引銀行との借入金返済のリスケジュールの協議において、役員報酬を減額せざるを得ない場合
- 業績や財務状況の悪化によって、経営状況の改善計画に役員報酬の減額が盛り込まれた場合
役員報酬の減額が認められるケースかどうか十分に判断したうえで、金額の変更を行いましょう。
役員報酬を決める際の2つの注意点
ここまで役員報酬の概要や種類について解説してきましたが、実際に決める際には下記のような注意点があります。
役員報酬を決める際は、税金や競合他社とのバランスに注意する必要があります。
それでは、役員報酬を決める際の注意点について解説していきます。
役員報酬の注意点①税金とのバランスに注意する
役員報酬を決める際は、税金とのバランスに注意しましょう。
役員報酬にかかる税金は主に以下のとおりです。
- 法人税
- 法人事業税
- 法人住民税
役員報酬を増やすことで会社の利益が減るため、法人として納める税金は少なくなります。
しかし、個人で納める税金は累進課税のため、所得に伴って税負担が大きくなります。
会社と個人のどちらで税金を負担するのかバランスを考慮したうえで、役員報酬を決めましょう。
役員報酬の注意点②競合他社とのバランスに注意する
役員報酬を決める際は、競合他社とのバランスに注意することも重要です。
役員報酬が同業他社や同規模の会社に比べて高すぎると不当とみなされ、損金に計上することが認められない場合があります。
また、業務をあまり行っていない役員へ報酬を支給する場合、相場に比べて高すぎるとみなされる場合もあるため、十分注意しましょう。
役員報酬に関するよくある質問
最後に、役員報酬に関するよくある質問に回答します。
本章で紹介する質問は、以下のとおりです。
本章で紹介する内容を十分に理解し、確定申告や役員報酬を決める際の参考にしてください。
それでは、それぞれ解説していきます。
役員報酬は毎月10万円でも良いの?
役員報酬は毎月10万円でも問題ありません。
また、役員報酬の金額が低ければ低いほど税負担は軽くなります。
主な理由は以下のとおりです。
- 役員報酬に対する税率が最大56%まで増えてしまうこと
- 役員報酬を増やすことで「負担の大きくなる税金」の方が、役員報酬を増やすことで「負担の小さくなる税金」より大きくなるため
ただ、さまざまな税率を考慮した上で最適な役員報酬の金額は月額90万円、最大でも183万円までといわれています。
役員報酬に所得税はかからない?
役員報酬には所得税がかかるため、税金の納付が必要です。
役員報酬であっても、税法上「給与所得」と同じ扱いになります。
所得税や住民税などの税金は累進課税のため、役員報酬が増えれば増えるほど所得税の納付額も大きくなります。
役員報酬には、健康保険や厚生年金保険などの社会保険料も発生するため、十分考慮しておきましょう。
新たに会社を設立するならバーチャルオフィスがおすすめ
この記事では、役員報酬の決め方や給与との違い、役員報酬の種類について解説しました。
役員報酬は会社法第361条において「定款または株主総会の決議によって定める」とされていますが、一般的に株主総会の決議で定めることが多いです。
新たに会社を設立する際には、3ヶ月以内に役員報酬を決める必要があります。
本記事で解説した内容を理解し、適正な役員報酬を支給しましょう。
また、新たに会社を設立する際は、バーチャルオフィス「NAWABARI」がおすすめです。
NAWABARIで登記用の住所を契約すれば、初期費用を抑えられます。
- 費用は月額1,100円から利用可能
- 多くの会社がNAWABARIを選んでいる実績がある
- 電話要件や郵便物受け取りサービスを利用できる
少しでも興味を持った方は、下記のリンクから必要事項を記入してお申し込みください。
バーチャルオフィスお探しの方必見!