ハンドメイドの商品を専門に取り扱うオンラインマーケットサービス「minne」を利用して、自分も商品を出品したいと考えている人は多いことでしょう。
しかし、オンラインで商品のやり取りを行う際に、個人情報の流出はなるべく避けたいところです。
minneで住所や電話番号といった情報を非公開にすることはできるのでしょうか。
今回は、minneを使う際に個人情報をどこまで秘匿できるのか、どうやって秘匿すれば良いのかについて解説します。
minneとは?
minneとは、GMOペパボ株式会社が運営するハンドメイドマーケットサービスです。
手編みのセーターや手作りのアクセサリーなどといったハンドメイド作品の売買を専門としています。
minneはWebサイトとスマートフォンアプリから利用することができ、インターネットが利用できる環境さえあればいつでもどこでもハンドメイド作品の売買が可能です。
アマチュアからプロまで、様々な人が自分のハンドメイド作品を出品しており、その総数は1500万点以上にも上ります。
minneでは特定商取引法に関して住所・電話番号を非公開にできる!
minneでは、定商取引法に基づく表記に関して、住所と電話番号を非公開にすることが可能です。
これにより、オンライン販売における個人情報の流出リスクを防ぐことができます。
以下では、この住所と電話番号の非公開機能について具体的に見ていきましょう。
そもそも特定商取引法とは?
住所と電話番号の非公開機能について知る上で、大前提として「特定商取引法」が何なのかを知る必要があるでしょう。
消費者トラブルが発生しやすい取引についてトラブルを防止するために定められた法律
具体的には、訪問販売や通信販売などといった、事業者による違法・悪質な販売や勧誘が予想される取引について、消費者をこれらのトラブルから守るために事業者側が遵守すべき事柄が定められています。
minneはインターネットを介して商品の売買を行う通信販売に該当するため、minneのサービスを利用してハンドメイド作品を販売する場合は特定商取引法の規定に従う必要があるのです。
このうち、今回関係してくるのが「氏名等の明示の義務付け」に関する規定です。
事業者は消費者に対して適正な情報提供を行うために、事業者の氏名や所在地、訪問が勧誘目的であることなどについて「特定商取引法に基づく表記」として明記しなければなりません。
ここで問題になってくるのが
「minneを使ってハンドメイド作品を販売する場合、出品者の個人情報が開示されてしまう」
ということです。
個人情報が公開されてしまうことで、悪意を持った人がその個人情報を悪用してしまうかもしれません。
そこで、消費者庁は「特定商取引法に基づく表記」に関して、利用者が一定の要件を満たしていれば「特定商取引法に基づく表記」で明記する情報を、プラットフォームの所在地や電話番号としても問題がない、とする見解を示しました。
これにより、個人として出品を行う場合、自分の住所や電話番号を公開する必要がなくなったのです。
住所・電話番号の非公開設定ができる対象者
住所や電話番号の非公開設定ができる対象者は
「特定商取引法において『販売業者』に該当する個人(個人事業主を含む)」
です。
ここで定義される販売業者とは、消費者庁のガイドラインによれば「営利の意思を持って反復継続して販売取引を行うもの」を指します。
即ち、ハンドメイドグッズを何度も繰り返し売って利益を得ている場合は個人であっても「販売業者」とみなされるのです。
通常であれば販売業者は「特定商取引法に基づく表記」として自らの氏名や住所、連絡先などの情報を明らかにしないといけませんが、minneを利用する個人に関しては住所や連絡先を非公開とすることができます。
なお、個人事業主が法人化した場合はもはや「個人」という扱いではなくなりますから、法人としての住所や連絡先を明記しなければなりません。
非公開にした場合の特定商取引法に関する表示イメージ
非公開にした場合の「特定商取引法に基づく表記」は、minneを運営するGMOペパポ株式会社の所在地と連絡先が本来の住所と連絡先の代わりに表示されます。
上記の通り、消費者庁の
「利用者が一定の要件を満たしていれば特定商取引法に基づく表記の住所と連絡先について、プラットフォームの所在地や電話番号としても問題がない」
という見解に準ずる形での表記です。
また、住所と連絡先の表示の下部に「minneを運営しているGMOペパポ株式会社の所在地(連絡先)を表示しています」という旨の注意書きも併記されます。
注意点
この非表示機能はあくまで「特定商取引法に基づく表記」について本来の登録情報を非公開化するだけというものです。
minneを利用するに当たっての登録情報や、ハンドメイド作品を実際に発送する際の発送元住所については本来の自分の住所を記載しなければならない点に注意してください。
また、ハンドメイド作品の購入者から購入した作品に関する不備や破損など、取引についてのクレームや問い合わせがあった場合には、必要に応じて所在地や連絡先を開示しなければなりません。
そして、「特定商取引法に基づく表記」の非表示機能で非表示となるのは所在地と連絡先のみで、氏名については公開しなければならない点にも注意しましょう。
minneで登録情報・発送元を隠すならバーチャルオフィス!
個人情報を確実に隠したい場合は、特定商取引法に基づく表記の非表示化だけでは不足となるでしょう。
先述したように、登録情報には自分の住所を入力することになりますし、商品を発送する際には発送元住所を記載しなければならず、取引相手には自分の住所を知られてしまうからです。
この問題を解決するのが「バーチャルオフィス」です。
以下ではバーチャルオフィスの概要や特徴、メリットなどについて解説します。
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスは、読んで字の如く「仮想の職場」のことです。
事務所用に住所情報を貸し出すというサービスで、このサービスを利用することで実際の住所とは異なる「事務所用の住所」を借りることができます。
ただし、借りることができるのは「住所のみ」です。
レンタルオフィスと違って実際のオフィススペースが借りられるわけではないため、オフィススペースは別途用意する必要があります。
バーチャルオフィスの住所は「借りている」住所とは言え実際に存在する住所ですから、事業場の住所として利用することができますし、銀行での口座開設や社会保険の加入などもバーチャルオフィスの住所を使って手続きを進めることが可能です。
バーチャルオフィスで利用できるサービス
バーチャルオフィスで住所を借りると、様々なサービスを利用することができます。
例えば、バーチャルオフィスの住所宛に届いた郵便物は、バーチャルオフィスが受け取って自宅等へと転送してもらうことが可能です。
また、固定電話番号のレンタルサービスもあり、バーチャルオフィスから借りた固定電話番号にかかってきた電話に対して自分の携帯電話に転送したり、バーチャルオフィス側で受付代行をしてもらったりすることもできます。
クライアントがバーチャルオフィスの住所に打ち合わせや商談などの目的で訪れる場面もあることでしょう。
そんな時に役に立つのがバーチャルオフィスの住所に用意された会議室です。
各種備品が用意されているケースも多いため、必要に応じて活用すると良いでしょう。
さらに、バーチャルオフィスによっては、法人登記や経理などの業務を代行するサービスを備えている場合もあります。
税理士などの専門スタッフの助けを借りることもできるため、安心してコア業務に注力することが可能です。
個人情報を開示することで起きるトラブル
個人情報を開示することは様々なリスクを生みます。
例えば、取引相手とトラブルになった際に、相手が自宅に押しかけてくるといったことが考えられるでしょう。
冷静な話し合いを求めて訪問してくるのであればまだ良い方で、冷静さを欠いた相手が何らかの危害を及ぼそうとしてくる可能性も十分に有り得る事態です。
また、開示した個人情報が悪質な名簿業者によって取引され、訪問販売や営業電話などのターゲットになってしまう可能性もあります。
より悪質なケースとしては、会社概要をコピーされて偽サイトに利用されたり、詐欺などの犯罪に住所情報が使われてしまったりといったこともあり得るでしょう。
こうしたトラブルから身を守るためにも、バーチャルオフィスを利用するなどして個人情報を秘匿することは重要なのです。
バーチャルオフィスの利用がおすすめな人
どのような人がバーチャルオフィスを利用すべきなのでしょうか。
例えば、個人事業主のうち在宅の仕事が主であり顧客との打ち合わせもリモートを主とする人や、そもそも顧客との打ち合わせを必要としない仕事をしている人で、法人成りを目指している場合はバーチャルオフィスを積極的に利用していくと良いでしょう。
実際、バーチャルオフィスの利用者は元個人事業主のミニ法人、もしくは法人成りを目指している個人事業主が多く、バーチャルオフィスも法人成りをサポートするサービスを用意していることが多いです。
また、単に自宅とは別の住所や連絡先を用意したい、という場合にも効果的です。
minneなどのマーケットサイトで商品を出品していたり、整体やインストラクターなどの出張業務をメインとしていたりする場合には、個人情報保護のためにもバーチャルオフィスは効果的です。
個人でバーチャルYouTuberとして活動する場合も、生身の自分につながる情報を秘匿する上でバーチャルオフィスは心強い味方となってくれることでしょう。
バーチャルオフィスを選ぶポイント
バーチャルオフィスを探す際には、いくつかのポイントに着目して選ぶようにすると良いでしょう。
まず、バーチャルオフィスの住所は重要なポイントです。
「都会の一等地など、良い条件の住所であるかどうか」
はもちろんのこと
「過去にその住所が犯罪に使われていないか」
についてもしっかりと確認しておきましょう。
仮に、その住所が犯罪に使用されていた場合は口座開設などが難しくなる可能性があります。
個室や会議室といったレンタルスペースがあるかどうかもチェックしておきましょう。
普段は打ち合わせ等を行わない業種で働いていたとしても、取引先や関係者などから対面による打ち合わせを要求されるという可能性がないわけではありません。
もしもの時に備えて、レンタルスペースやそのサイズ、備品の有無などを予め把握しておくと良いでしょう。
初期費用とサービスの利用料金も重要な確認事項です。
「必要最小限のサービスを利用した場合にどれだけのお金がかかるのか」
という点に着目して、複数のバーチャルオフィスを比較検討するようにしましょう。
レンタルオフィスが併設されているようなケースでは、バーチャルオフィスの価格も高くなる傾向にあるため注意が必要です。
そして、
「運営会社が契約前にきちんと入居者審査を行っているかどうか」
は必ず確認してください。
本人確認書類と印鑑証明の提出、事業内容の確認といった内容が盛り込まれていれば問題はありません。
きちんとした審査を行わずに誰にでも住所を貸しているようなバーチャルオフィスは、犯罪行為等への悪用が常態化している恐れがあるため、利用は可能な限り避けるべきです。
レンタルオフィスとバーチャルオフィスはどちらがいい?
レンタルオフィスとバーチャルオフィスを比較した場合、レンタルオフィスとバーチャルオフィス最大の違いが「オフィススペースの有無」です。
バーチャルオフィスの場合、レンタルオフィスと異なりオフィススペースが用意されていません。
その分、オフィススペースの賃料がかかりませんから、利用料を低く抑えることが可能です。
minneを利用してハンドメイドグッズの販売を行う場合、基本的には自宅が仕事場となるケースがほとんどとなるでしょう。
そのため、オフィススペースがついてくるレンタルオフィスの場合、オフィススペースを持て余してしまう可能性が非常に高いです。
住所のみを借りられるバーチャルオフィスの方が料金を節約できますし、運用上の無駄を抑えることができるでしょう。
自宅で作業をするには手狭すぎるなどの特別な事情がない限りは、バーチャルオフィスの方を利用するのがおすすめです。
minne利用者におすすめなバーチャルオフィス4選!
以下では、minne利用者に特におすすめしたいバーチャルオフィスを4つピックアップして紹介します。
バーチャルオフィス選びで迷った時は、ひとまずこの4つの中で検討すると良いでしょう。
NAWABARI
株式会社Lucciが運営するNAWABARIはEC事業者やインフルエンサーに強い支持を受けているバーチャルオフィスサービスです。
特にEC方面に力を入れており、ネットショップのBASEと提携してプラグインによる利用を可能にするなど、ECサイトを運営している人にとっては非常に便利なサービスと言えるでしょう。
また、月額利用料が税込1,078円からとなっており、業界最安値を誇っています。
管理画面上で届いた郵便物を写真で確認できるなどの細やかなサービスも人気の秘訣と言えるでしょう。
最低利用期間も1ヶ月からと、短期集中運用をしたい人にとっても最適です。
レゾナンス
レゾナンスは株式会社ゼニスが運営するバーチャルオフィスサービスで、最大の特徴は都内の一等地の住所を格安で利用できる点にあります。
全ての店舗施設には無料Wi-Fiとホワイトボード付きの会議室が用意されており、必要に応じてレンタルすることが可能です。
通常料金の中に住所利用の他に法人登記、郵便物転送、銀行紹介といったサービスが含まれている点も魅力の一つと言えるでしょう。
ワンストップ
株式会社ワンストップビジネスセンターが運営するバーチャルオフィスサービスのワンストップビジネスセンターは、東京を始めとする全国の主要都市に41店舗を展開しており、店舗の多さと店舗展開地域の豊富さが魅力です。
利用料金は4つのプランから選ぶことができ、単純でわかりやすい点も特徴として挙げられます。
ナレッジソサエティ
シェアオフィス運営を行っている株式会社ナレッジソサエティでは、サービスの一つにバーチャルオフィスを用意しています。
無料で使用できるミーティングスペースに加えて、様々な会議室を取り揃えており、用途に応じて適宜レンタルすることが可能です。
また、スタッフの常駐や受付システムなど、急な来客があったとしても対応可能な手厚いサポート体制も魅力の一つと言えるでしょう。
minneを安心して利用したいならバーチャルオフィスNAWABARIの利用を検討しよう
minneでは「特定商取引法に基づく表記」で表示する住所や連絡先を非表示にすることが可能です。
これにより、不特定多数の人に自分の個人情報を知られるリスクを低減できますが、登録情報や発送元などには自分の住所を記載しなければなりません。
バーチャルオフィスサービスのNAWABARIを利用すれば住所を借りることができるため、個人情報を開示せずに済み安心です。
minneを利用する際には、NAWABARIの契約を検討してみてはいかがでしょうか。