「社会保険への加入義務とは?」
「法律改正で何が変わる?」
社会保険について、このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。
従業員数が5人以上いる事業所には社会保険への加入義務があり、2024年10月からはパート・アルバイトの方も社会保険に加入しなければならないケースが増加します。
本記事では、社会保険加入義務がある事業所について詳しく解説するとともに、加入義務に違反した際の罰則も記載しています。
社会保険に関するお悩みがある方は、ぜひ最後まで読み進め、事業の参考にしてください。
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社会保険への加入義務がある事業所とは?
適用事業所に勤めている従業員の方には、健康保険や厚生年金保険といった社会保険の加入義務があります。
パート従業員の方も一定の条件が満たされた場合には加入義務が発生するため、事業主や正社員の方だけでなくパート・アルバイトの方も、加入義務がある事業所を知っておくと良いでしょう。
本章では、社会保険への加入義務がある事業所の条件を紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、求職される方は参考にしてください。
強制適用事業所の条件
強制適用事業所の条件は、以下の2つです。どちらかに該当すると、強制適用事業所に分類されます。
- 農林漁業・サービス業など以外で常時5人以上の事業員がいる事業所
- 国または法人の事業所
強制適用事業所とは、事業主や労働者の意思、業種や会社の概要に関わらず、社会保険への加入が義務づけられている事業所です。
法人の場合は、法人の種類や従業員の人数にかかわらず加入義務があることに注意しましょう。
反対に、飲食店や美容室などのサービス業は、法人化していなければ5人以上が勤めていたとしても強制適用事業所の条件に該当しません。
強制適用事業所にもかかわらず社会保険に加入していないと、未納分が遡って徴収されたり、懲役や罰金が課されてしまったりするので、必ず加入してください。
任意適用事業所の条件
任意適用事業所に該当する条件は、「事業所で働く半数以上の人が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受ける」ことです。
法人化していない飲食店や美容室なども、こちらの方法で社会保険に加入できます。
その際、働いている全員に社会保険加入義務が発生しますが、任意適用事業所の場合は健康保険・厚生年金保険どちらかのみの制度に加入可能です。
また、被保険者の4分の3以上の人が適用事業所からの脱退に同意した場合、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで、適用事業所を脱退できます。
一括適用ができる場合
事業主が同じであるなど基準を満たす場合には、本社・支店を含めた一つの適用事業所にする申請ができます。
一括適用がされていなかった場合には、本社と支社間で異動を行う度に、社会保険の資格喪失届などの手続きを行わなければいけません。
手間を省くことができるため、事業主の方は知っておくと便利です。一括適用の承認を得る際には、申請書のほかに以下について説明した文書を提出してください。
- 人事・労務および給与に関する事務の範囲とその方法
- 各種届書の作成過程および被保険者への作成過程または届出の処理過程
- 被保険者の資格取得・喪失の確認などを通知する方法と被保険者証を交付する方法
社会保険の適用除外とされる場合
社会保険に加入できない、適用除外とされるケースもあります。以下の条件にあてはまる方は、社会保険に加入できません。
- 後期高齢医療の対象となる75歳以上の方
- 65歳以上75歳未満で一定の障害の状態にある方
- パート・アルバイトなどで労働時間が短い・労働日数が少ない方
- 所在地が一定しない事業所に勤務している方
- 国民健康保険組合の事業所に勤務している方
- 健康保険または共済組合の承認を受けて国民健康保険へ加入した方
- 臨時に2ヵ月以内の期間を定めて雇用され、その期間を超えない方
- 4ヵ月以内の季節的業務に雇用される方
上記に該当する場合は、強制適用事業所に勤めていても社会保険に加入できないので、注意が必要です。
社会保険への加入義務が発生する条件とは?
社会保険への加入義務がある事業所の正社員には、社会保険に加入する義務が発生します。
しかし、派遣やパートとして勤めている方には、一定の条件が満たされない限り社会保険加入義務が発生しません。
本章では、社会保険への加入義務が発生する条件を、以下の3つの形態に分けて紹介しています。
それぞれ詳しく解説します。
派遣会社に勤めている場合
派遣会社は、派遣会社に雇用されて働くため、派遣会社の社会保険に加入することになります。派遣先の事業主が派遣社員の社会保険加入手続きを行うことはないので、覚えておきましょう。
派遣会社に勤めている方の加入条件は、「1週間の所定労働時間、および1ヶ月の所定労働日数が派遣元の常時雇用者の4分の3以上である」もしくは、下記の全てを満たしている場合です。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 月額の賃金が88,000円以上
- 2ヵ月以上の雇用が見込まれる
- 派遣元会社の従業員数が101人以上(2024年10月からは51人以上)
- 学生ではない
派遣先の従業員数や法人化しているかどうかは関係ないので、注意が必要です。
条件を満たしているにもかかわらず社会保険に加入されていない場合は、派遣元へ確認してください。
パート・アルバイトとして働いている場合
パート・アルバイトとして働いている方の社会保険加入義務発生の条件は、派遣会社に勤めている場合と同様です。上記の条件をご確認ください。
事業所の所定労働日数が20日の場合は、15日以上働いていると正社員の4分の3以上になるので、社会保険加入義務が発生します。従業員の人数が101人未満でも社会保険に加入しなければいけません。
事業主の方は企業の利益を、パート・アルバイトの方は自身のライフワークバランスを考え、労働日数を定めてください。
個人事業主の場合
個人事業主には、社会保険への加入義務が原則ありません。国民健康保険と国民年金に加入することになります。
例外として、収入が扶養範囲内であれば、個人事業主でも扶養家族として社会保険に加入できます。自身の収入によって、国民健康保険などに加入するか、社会保険に加入するかを選択してください。
また、個人事業主の方自身は社会保険への加入義務がありませんが、2022年10月以降、従業員が5人以上いる場合、従業員を社会保険に加入させる義務が生じるようになっています。
自身が国民健康保険などに加入することはもちろん、従業員の方を加入させることも忘れないようにしなければいけません。
2024年10月以降からは社会保険の適用範囲が変更される
2024年10月以降からは、社会保険の適用範囲が以下のように変更されます。
「1週間の所定労働時間、および1ヶ月の所定労働日数が派遣元の常時雇用者の4分の3以上である」もしくは、下記の全てを満たした者。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 月額の賃金が88,000円以上
- 2ヵ月以上の雇用が見込まれる
- 従業員数が51人以上(2024年10月までは101人以上)
- 学生ではない
これまでは従業員が5人以上いる事業所であっても、従業員数が101人未満であればパート・アルバイトには社会保険の加入義務がありませんでした。しかし、2024年10月以降は51人以上101人未満の事業所にもパート・アルバイトの社会保険加入義務が発生します。
パート・アルバイトの方も事業主の方も、今一度働き方を見直す必要があるでしょう。
社会保険への加入義務がある事業所の加入手続き方法
2024年10月以降は、社会保険に加入しなければならない事業所が増加すると予想されます。
そこで、本章では、社会保険の加入義務がある事業所の加入手続き方法を2つの項目に分けて紹介します。
それぞれ詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
提出期限
社会保険に加入する際、強制適用事業所は会社設立から5日以内に日本年金機構に関連書類を提出しなければいけません。
任意適用事業所の場合は、具体的な日数が定められていないものの、従業員の半数以上の同意を得た後は速やかに日本年金機構に関連書類を提出する必要があります。
また、従業員を雇用した際の期限も5日以内です。事務センターまたは年金事務所に健康保険・厚生年金被保険者資格取得届を提出してください。
加入するために必要な書類
加入手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 健康保険・厚生年金保険新規適用届
- 健康保険・厚生年金被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届
- 健康保険厚生年金保険の保険料口座振替納付(変更)申出書
各種申請書類は日本年金機構のWebサイトからダウンロードが可能です。
また、健康保険・厚生年金保険新規適用届を提出する際には以下の書類を添付する必要があります。
- 法人事業所:法人(商業)登記簿謄本
- 事業主が国・地方公共団体、または法人:法人番号指定通知書等のコピー
- 強制適用となる個人事業所:事業主の世帯全員の住民票
社会保険への加入義務があるにもかかわらず放置した場合の罰則とは?
社会保険に加入するための手続きは、提出しなければならない書類も多く、非常に面倒な作業になります。
しかし、社会保険への加入義務があるにもかかわらず放置した場合には、状況に応じて以下の3つの罰則が課されてしまいます。
加入義務がある場合には、速やかに加入することが大切です。
社会保険への加入指導が実施される
加入義務がある企業が長期間未加入だった場合、日本年金機構の担当者が事業所に訪れ、加入指導が行われます。
複数回にわたって加入指導に従わないと悪質なケースとみなされ、「健康保険法第208条」により、6ヶ月以上の懲役、もしくは50万円以下の罰金が課されるおそれがあります。早期に加入しておくことが大切です。
担当者が訪れる前に、日本年金機構から加入状況に関する案内文書が届くため、遅くともその時点で社会保険に加入しておきましょう。
過去2年分の社会保険が徴収される
社会保険未加入のペナルティとして、社会保険未加入となっている従業員の社会保険料を2年間にさかのぼって追徴されることがあります。
支払いは事業所と従業員の折半ですが、従業員が退職していて連絡がつかない場合は、事務所が全額負担しなければいけません。
社会保険加入義務がある事業所は、必ず社会保険に加入しておきましょう。
また、従業員の方も事業所が加入してくれない場合には、年金事務所に申し出てください。放置していると、後々数十万円の支払いが発生する可能性があります。
ハローワークで求人ができなくなる
ハローワークでは、社会保険未加入の事業所の求人は表示されないようになっています。会社名で検索をかけても出てこないといった、社会保険未加入であることが一発で分かるシステムのため、求人票を受け取っても貰えません。
新たな人材を雇用するためにも、社会保険加入義務がある企業は、社会保険に入っておきましょう。
ただし、求人申し込みの時点で従業員がいない場合は、採用後速やかに加入することを条件に申し込むことが可能です。
事業所を立ち上げたばかりの方は上記を伝えて求人票を受理してもらいましょう。
社会保険の加入義務に対する正しい知識を持とう
本記事では社会保険の加入義務について解説してきました。
社会保険の加入義務を果たさなければ罰則が課されてしまいます。それを避けるためにも事業主は正しい知識を持たなければいけません。
しかし、社会保険の加入義務は、その時代に応じて制度が細かく変化するため、把握し続けるのは難しいです。
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