会社を作る過程で登記などの事務作業がありますが、口座の開設もその1つです
一言に口座といっても、口座には一般口座と法人口座があり、それぞれ開設方法や用途の違いなどがあります。
中には今持ってる口座でいいかと思っている方も多いのではないでしょうか?
今回は、一般口座と法人口座の違いや、会社を運営する上での法人口座の必要性について解説していきます。
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法人口座とは?一般口座との違いについて
法人口座は、金融機関の口座名義人が法人の名義になっている口座のことです。
一般口座では、開設をした本人のお名前が口座名義として通帳などに記載されますが、法人口座は株式会社、合同会社の名義で作ることが可能なのです。
法人口座を開設することで、会社の財産と個人の財産を区別することができ、個人と法人を混同せず、経理処理などの混乱も防ぐことができます。
ただし法人口座は個人の一般口座のようにすぐに開設できるものではありません。
なぜなら法人口座は振り込め詐欺をはじめとする悪事に使われるケースもあり、犯罪防止の観点(犯罪収益移転防止法)から法人口座の開設は簡単ではありません。
一般口座と比べると必要書類や審査の基準が高いため、準備・審査結果がでるまでに時間がかかりすぐには口座開設をすることはできないのです。
法人口座は必要?
1、社会的信用につながる
法人口座の存在は社会的信用の1つと言えます。
個人事業主との取引に慣れている企業であれば、取引相手が代表者名義の口座を使っていたたとしてもあまり気にかけないかもしれません。
しかし、一部の企業では法人口座を持たない企業との取引をコンプライアンス上の理由から避ける場合があります。
新規開拓や新規顧客の獲得を狙うのであれば、契約機会を逃さないことが重要です。
2、取引先に不要な心配をさせない
個人事業や家族経営の延長で法人化した場合、代表者名義の一般口座を使用するということは珍しいことではありません。起業後も同じ口座を使用し続けることに違法性はありませんが、法人口座をお勧めするにはきちんと理由があるのです。
例えば取引先や顧客目線で考えてみてください。
初めて取引する会社から請求書が届き、個人名義の入金先が記載されていた場合、不安を抱く方は多いのではないでしょうか。
取引先や顧客からは、法人口座をなぜ持っていないのか、持てない理由があるのかなど、何らかの犯罪に手を染めてしまうのではないかと、取引に悪影響を及ぼしかねません。
下記のような可能性を疑われます。
- この法人は実在しないペーパーカンパニーではないか?
- 会社資産を代表者が流用しているのではないか?
- 脱税や横領をしているのではないか?
- 銀行から法人口座を持つ適正ではないと審査されたのではないか?
このように法人口座を持っていないことで、あらぬ疑いの目を持たれてしまう可能性があるのです。
開設方法
先述の通り、法人口座の開設には厳しい審査があります。
不正利用を防止する目的で一般口座と異なる書類や印鑑が必要になります。
用意が必要な物は各金融機関のホームページで確認は出来ますが、代表的な書類について見ていきましょう。
1、必要書類について
- 会社の商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
- 会社の定款
- 会社印(口座の届出印)
- 代表者の実印
- 代表者の印鑑証明書
- 代表者の身分証明書
その他、会社の運営実態が分かる資料などがあります。各金融機関によって提出書類が異なる場合がありますのでご確認ください。
2、審査について
必要書類が揃っていても必ずしも審査に通るわけではありません。
社会的信用性の高い法人口座は、振り込め詐欺などの犯罪に利用される危険が高いため開設にあたり慎重な審査が行われます。
審査内容は厳しいと言われていますが、金融機関は審査基準を明らかにしていません。
金融機関ごとにチェック項目も異なるとも言われており、A銀行で開設は断られたが、B銀行では開設出来たということもあるようです。
ここでは代表的な審査通過を妨げる要素を紹介いたします。
〇審査に落ちる原因6選
1、資本金の額が少ない
法人口座を開設するうえで、資本金の額は重視されます。
資本金が多いほど事業の規模が大きく、安定した経営をしている会社、安心して取引できるとみなされ重要なポイントとなります
2、事務所所在地の実態がない
犯罪に使われる偽装会社の場合、事業所の所在地が不自然な場所となっているケースも珍しくないようです。
事務所の所在が確認できる賃貸契約書や、バーチャルオフィスをご利用の場合は契約証明書等を用意しておきましょう。
3、事業内容がはっきりしていない
事業目的がはっきりしていれば審査も通りやすくなると言われています。
どのような事業を目的としている会社か具体的に説明が出来るよう、事業計画書やプレゼンへの準備を怠らないようにしましょう。
4、固定電話の有無
取引先や金融機関にとって相手の連絡先が固定電話ではないことは不信感を抱く理由の一つと言えます。
近年の犯罪はスマホが多用されているため、携帯電話のみでのビジネスはイメージが良くありません。
コストはかかってしまいますが、固定電話の設置をお勧めします。
5、代表者の経歴
金融機関は法人口座を求める反社会勢力とのつながりを警戒しています。
会社自体に違法性がなくても、代表者や、従業員が反社会的な人物とつながっている可能性を否定できません。そ
のため判断材料の1つとして創業者の経歴が加わることもあります。
6、会社HPの有無
法人口座の開設において、一番先に確認するのが会社HPの有無と言えるでしょう。
HPを確認し申請書類として提出された事業計画書や定款、事業が合致しているかを確認するためです。
事業実態が確認できるよう取扱商品やサービスなどの情報をHPに掲載しましょう。
〇もしも審査に落ちてしまったら?
開設をしたい銀行の審査に落ちてしまった場合、そこであきらめてはいけません。
落ちた後も何度も審査のために銀行に訪れて、信頼をしてもらうことで審査に合格することが多いのです。
そのため1度落ちてしまったからと言って、悲観することなく何度もトライをして法人口座を開設しましょう!
ネットショップ運営におすすめな法人口座開設におすすめの銀行2選!
おすすめな銀行口座といっても、銀行を選ぶ際の1つのポイントとして自分の会社に見合った規模の銀行を選ぶといったものがあります。
従業員の少ない小さな会社でも、ギガバンクと呼ばれる三井住友銀行などに法人口座を開くことは可能ですが、
融資をしてもらいたいとなっても基本的に規模の大きな会社との取引がメインなため相手にしてもらえない可能性がとても高いのです。
また自身の会社の業種によってもおすすめな銀行は変わってきます、例えば不動産業に強い銀行であったり様々です。
そこで今回はいま流行りの、ネットショップに焦点を絞りおすすめの銀行を2社紹介したいと思います。
【楽天銀行】
最近よく耳にする楽天銀行ですが、窓口が存在せず何度も通い信用を獲得するといった手間が省けるため、実質開設の難易度も低いといえるでしょう。
~メリット~
- 近くのコンビニが365日、24時間利用可能
- ATM手数料が0円!(月7回まで)
- 他行宛振込手数料0円(最大月3回まで)
- 楽天ポイントをためることができる
- スマートフォンなどで残高照会や振り込み等ができる
【住信SBIネット銀行】
他行への振込手数料が安いことが有名で、よく振り込みをするユーザーには重宝されている銀行になります。
~メリット~
- 近くのコンビニが365日、24時間利用可能
- 他行宛振込手数料が最大月15回まで0円!
- 有料出金・他行あて振込手数料の料金がそれぞれ1回100円(税抜)、142円(税抜)と他行と比べて安い
まとめ
いかがでしたでしょうか。
銀行口座はビジネスをする上で、ある程度の信用を得られる分、開設難易度が高いことがお分かりいただけたかと思います。
現在、日本では法人口座を持たない会社も増えてきている一方で、大手企業では法人口座は必須であったりするため、この記事を読んでご自身の業種や規模などを鑑みて法人口座を持つべきか判断する材料にしていただけましたら幸いです。
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