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副業の雑所得と事業所得の違いとは? 年間収入300万円以下は雑所得に

300万円以下は雑所得へ。副業サラリーマンへの影響は?

300万円以下の副業収入の儲けは、「事業所得ではなく雑所得である」と所得税基本通達に明記されることとなりました。(https://wp.me/a6gSf3-1Wl

これは令和4年1月に遡り適用されます。

今までは、副業で年間収入が300万円を超えなくとも事業所得として見なされていましたが、今後は300万円を超えない場合は雑所得として見なされ、青色申告ができず白色申告をしなくてはならなくなります。

この記事では、副業300万円問題の詳しい内容や雑所得と事業所得の違いなどについて解説します。

本記事を参考にして、雑所得で得た収入を正しく申告しましょう。

また、副業をおこなう際、住所や連絡先を公開しないとならないケースもあります。

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副業するなら覚えておきたい雑所得の知識

雑所得 300万 事業所得

一般的な所得とは、「収入ー経費」で算出された金額です。

所得税法では、算出された所得額を10種類に分類します。

たとえば、会社で働いて得た所得は「給与所得」、不動産で得た取得は「不動産所得」などです。

雑所得とは、これら一般的な所得の種類にあてはまらない所得を指します。

さらに、雑所得は以下の3種類に分類されます。

  • 公的年金等の雑所得
  • 業務に関わる雑所得
  • そのほかの雑所得

副業で得た所得は、ほとんどの場合が雑所得の「業務に関わる雑所得」にあたります。

雑所得の税率と控除額

雑所得の雑所得は、下記の計算式で算出されます。

  • 【公的年金等の雑所得の計算方法】
    • 収入金額 – 公的年金等控除額 = 公的年金等の雑所得
  • 【業務による雑所得orその他の雑所得の計算方法】
    • 総収入金額 – 必要経費 = 業務に係る雑所得orそのほかの雑所得

税率と控除額は、上記の計算で算出された雑所得学の数値ごとに異なります。

下記の表を参考にしてください。

課税される所得金額税率控除額
1,000円〜194万9,000円まで0.050円
195万円〜329万9,000円まで0.197,500円
330万円〜694万9,000円まで0.2427,500円
695万円〜899万9,000円まで0.23636,000円
900万円〜1,799万9,000円まで0.331,536,000円
1,800万円〜3,999万9,000円まで0.42,796,000円
4,000万円以上0.454,796,000円
参考:国税庁「No.2260 所得税の税率」

雑所得と事業所得の違いとは?

雑所得と事業所得の違いは「得た収入で生計を立てているかどうか」が重要な観点となります。

たとえばフリーランスのwebデザイナーが、片手間でアフィリエイト運営をやっていた場合、webデザインで得た収入は事業所得、アフィリエイト運営で得た収入は雑所得です。

収入を得た仕事内容が、独立・継続・反復しておこなわれているかどうかが、「生計を得るための仕事であるか」の判断基準になるとされています。

雑所得 300万 事業所得

年間収益300万以下の副業事業者は雑所得で確定申告しなければならない

年間収益300万円以下の副業従事者への影響
雑所得 300万 事業所得

雑所得の収益が20万円を超えたら、確定申告が必要です。

雑所得を確定申告する際は、次の点に注意しましょう。

青色申告ができない

収益が300万円以下の雑所得の場合、確定申告の種類が限定されてしまいます。

副業収入が雑所得になった場合、青色申告ができなくなるため、白色申告をしなくてはなりません。

白色申告では、基本的に税制上の優遇措置は無いのに対し、青色申告では、青色申告の承認を受けていれば、10万円から65万円控除の優遇措置を受けることができます。

そのためサラリーマンをしながら、個人事業で副業をしている、これから始めようとしている方からしたら、実質の増税となるでしょう。

損益通算ができない

事業所得の場合、発生した赤字は、本業の所得と合算することができます。

簡単に説明すると副業で赤字を出してしまった場合、本業の収入から赤字分をマイナスした金額で所得税の支払いとなります。

例えば、本業で年間400万円の収入があったとします。副業を始めた1年目は事業はうまくいかず100万円の赤字を出してしまったとすると、通常400万円分の所得税を支払いところを赤字分を差し引いて、300万円分の所得税の支払いで済み節税ができるということです。

本業収入 400万円 - 副業の赤字 100万円 = 所得 300万円

またこの赤字は青色申告の場合、3年間繰り越せる制度がありますが、雑所得になり白色申告になると、合算して節税ができなくなるだけでなく、繰り越しの制度も利用することができなくなってしまいます。

副業を始めたばかりは、事業も軌道に乗っておらず、赤字を出してしまうことはよくある話でしょう。そんな中、損益通算を利用してうまくやり繰りをして最初のつらい時期を乗り越えることが出来なくなるかもしれません。

給与を必要経費にできない

副業をしている方の中には、家族や友人に仕事を手伝ってもらい、給与を支払われている方もいるかと思います。

しかし雑所得の場合、給与を必要経費として計上できません。

青色申告では経費として認められる内容ですが、雑所得の白色申告では申請が下りないため、注意が必要です。

売上1,000万円以上は雑所得でも消費税がかかる

本収入とは違う、雑所得による収入であっても、売り上げが多すぎる場合は注意が必要です。

法制上、売り上げが1,000万円を超える雑所得の保有者は、消費税の納税義務が発生します。

1,000万円という数値は、副業全ての売り上げを合算した数値です。

株やアフィリエイトなど高額の収入を得ることが多い副業を複数おこなっている方は、総売り上げを確認し、自身が納税義務の対象者となるのか確認しておきましょう。

雑所得20万円以下でも住民税の申告が必要

「雑所得が20万円以下の場合は確定申告の義務はない」と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし20万円以下の収入であっても、住民税の申告は必要です。

20万円以下の雑収入で申告が免除されるのは、所得税のみが対象となります。

住民税の申告要件は地方自治体によって異なるため、副業をおこなう方は事前に確認しておきましょう。

副業の雑所得はクリエイターやWebエンジニアは特に大きな痛手か

クリエイター・Webエンジニアは特に大きな痛手?
雑所得 300万 事業所得

業界によっては本業としても収入が低く、サラリーマンとして働きながら活動を余儀なくされる業種もあります。

特にいわゆる絵師と呼ばれるアニメーターは、力を付けて大手ライトノベルの表紙の仕事をもらえたとしても対した報酬は貰えず、ほとんどの方は超人気アニメーターを目指して兼業で活動をしている方が大半を占めます。

また、Webエンジニア業界でも、経験がものをいう業種ですから、本業の業務とは別に個人で仕事を請け負い経験を積んでフリーランスや独立を目指す方がとても多い業界です。

このような方たちからしたら、副業の収益が300万円を超えることはかなり難しいため、雑所得として扱われ数十万円の実質の増税となってしまうでしょう。

副業事業者は対策が可能?雑所得ではなく事業所得として申告する方法

事業所得として申告する対策は?
雑所得 300万 事業所得

結論から申し上げると、サラリーマンとして働きながら副業をしている方の多くは、事業所得として申告することは難しいでしょう。

年間300万円の収入を超えることができれば、事業所得として認められるわけですが、これは副業の収入のみで超える必要があります。

サラリーマンとして本業を別でしながら片手間にしている副業で年間300万円の収入を超えるとなると、それはもう副業を専業にした方がいいでしょうから、副業の範囲を逸脱しています。

雑所得 300万 事業所得

副業の雑所得に関するよくある質問とは?

副業 雑所得 よくある質問

副業事業者が雑所得で計上できる必要経費とは?

雑所得で計上できる必要経費は、「雑所得を得るために必要になる出費」が該当します。

たとえば、パソコン業務で雑所得を得ている方は、パソコン代や通信費などが該当します。

打ち合わせが必要な業種であれば、打ち合わせにかかる飲食費・交通費や打ち合わせ内容を録音するレコーダーなどが該当します。

また、光熱費や家賃なども、副業に必要な場合は「家事按分」の対象となります。

副業の雑所得における確定申告のやり方とは?

雑所得を確定申告する際は、1年間の収入と必要経費の計算から始めます。

算出された数字を確定申告に記載し、本業の給与を給与所得として、源泉徴収票に書かれた数字を参考にして記入します。

確定申告書の作成が完了したら、必要書類を税務署の窓口へ提出します。

提出期間は、2月16日から3月15日までの間です。

雑所得はいくらまでなら申告が不要?

雑所得の収益が20万円以下の場合、所得税の申告は不要です。

ただし、住民税の申告は必要になります。

住まいの自治体の申告要項を確認し、必要な手続きを済ませましょう。

また、20万円以下という数字は、副業の総収入です。

複数の副業を掛け持ち、それぞれの合計収入が20万円を超える場合は、所得税の申告が必要になります。

副業の雑所得が会社にばれない方法とは?

会社によっては、規定で副業を禁止しているところもあります。

しかし確定申告をすれば、会社に雑所得を得ていることがバレてしまうかもしれません。

会社に雑所得収入をバレないようにするには、以下の方法が有効です。

  • 確定申告書の「住民税に関する事項」に記載されている「自分で交付」に○をつける
  • 他人に副業の話をしない
  • SNSによる身バレに気をつける

住民税の通知が自宅に届くようにし、副業に関する話題を一切口にしないことで、会社に副業収入がバレるのを防げます。

また、SNSで副業に関する投稿をしている際は、身バレに注意しましょう。

なにげない内容から周囲の人に自分のアカウントであることがバレれば、副業をしている事実にも気付かれてしまいます。

万が一会社に副業がバレてしまうと、規定による罰則が与えられることも考えられます。

副業がバレないようにすることも大切ですが、安心して副業をしたいのであれば、会社に相談するか転職することも視野に入れたほうが安心です。

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老後2000万円問題や終身雇用の崩壊で、本業だけでお金を稼ぎ将来に備えるということは現実的に日々難しくなってきています。

それに伴い政府からも副業や投資を推奨している中、このような副業に対して不利益になる法改正が行われていくのは、いささか疑問に思いますね。

ただあまり気にしていても事態は変わりませんので、簡単ではありませんが、増税をしたとはいえ副業で稼ぐことが出来なくなったわけではありませんから、自身の事業に専念するのがいいでしょう。

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※追記

2022年に国税庁によって発表された「副業300万円問題」ですが、発足されたおよそ4ヶ月後に、大幅な法改定がありました。法改定の内容は、「300万円以下の収益でも、帳簿や請求書を保存している場合は原則事業所得として認める」というものです。つまり実質上の副業300万円問題の解決策であり、今後は帳簿・請求書などの存在が重要になります。副業収入を得ている方は、帳簿付けや書類を継続しておこないましょう

詳しくは国税庁の下記リンクをご確認ください。

パブリックコメント「所得税基本通達の制定について」(法令解釈通達)の一部改正(案)(雑所得の例示等)に対する意見公募の結果について

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