副業や週末起業など、自分でビジネスをすることが盛んになっていきた現代において、需要が高まっているのがバーチャルオフィス(住所貸し)です。
しかし、住所を借りるとなると犯罪に悪用されてしまう可能性があるため、定められた基準の審査をすることが法律で義務づけられています。
こではバーチャルオフィスの契約を検討している方に向けて、審査とはどのようなものなのか、また審査に落ちる要因は何なのかについて解説をしていきたいと思います。
バーチャルオフィスの審査って厳しいの?
結論から言うとそこまで厳しい審査ではありません。
今まで反社会勢力との関わりや、法律に触れることなく生活をしている方であればだれでも通過できる審査内容になっています。
最近では、eKYC(オンライン本人確認方法)制度が制定され、お手元のスマートフォンから免許証1枚で当日審査が可能になりました。
ただし制定されてから間もない制度となりますので、実装ができていない業者も多々あるため、お急ぎの場合は契約する前に確認するのがよいでしょう。
犯罪収益移転防止法とは?

完結に説明すると、違法ドラック売買などで得た犯罪による収益の洗浄(マネーロンダリング)や、振り込め詐欺に使用されるなりすまし口座の開設などを防止する目的で発令されたのが「犯罪による収益の移転防止に関する法律」(以下、「犯罪収益移転防止法」)です。
バーチャルオフィスが登場した当初は、簡単に自宅以外の住所を獲得できる性質上、個人情報を偽り契約をして、違法なサイトの運営元にしたり、レンタルアドレスで口座を作りマネーロンダリング等の資金洗浄に使われてしまいました。
そのため政府は、バーチャルオフィスを犯罪収益移転防止法の対象に加え、運営会社に対して契約時に「犯罪収益移転防止法」に定められた基準の審査をすることを義務付けました。
しかし、中には安直に契約者を増やそうと、審査を行わずに契約ができてしまう業者も存在しており、政府は取り締まりを強化しそのような業者の撲滅を進めています。
最近でも摘発された業者があり、ただ「審査がなくて楽だな」と契約をしてしまうと突然運営が摘発され、また1から業者選びをしなくてはならなくなってしまいます。
そうならないためにも、契約する前にしっかりと運営元を調べ、怪しい業者ではないかをチェックしましょう!

実際の審査の流れ
審査には「書類審査」と「居住確認」の2ステップがあります。
step1 ~書類審査~

バーチャルオフィス契約時に必要な書類について、運営会社によって必要書類は異なるため、代表的な必要書類について記載します。
【個人で契約の場合】
以下の書類の中から、A群から2点または、A群から1点+B群から1点の書類が必要になります。
A群
● 運転免許証(国際免許証不可)
● 保険証
● 日本国旅券(パスポート)
● 国民年金手帳 (1996 年 12 月 31 日以前に交付されたもの )
● 住民票(現住所記載のものに限る)
● 私立学校教職員共済制度の加入者証
● 在留カード・特別永住者証明書
● 身体障害者手帳
● 母子健康手帳 ( 母子健康手帳の交付を受けた本人に限る )
● 写真付き住民基本台帳カード
● 個人番号 ( マイナンバー ) カード ( 通知カードは不可 )
● 小型船舶免許証
● 宅地建物取引主任者証などの資格免許
● 官公庁が職員に対して発行した写真付きの身分証明書
● 海技免状 , 電気工事士免状等
● 住民票の写し
B群
●社会保険料の領収書
●国税または地方税の領収証または納税証明証
●公共料金の領収証、電力会社、水道局、ガス会社、NHK 発行のもの等
※領収書は発行から6か月以内のものに限る。
【法人の場合】
個人で必要な書類に加え下記の書類が必要になります。
●登記簿藤本(発行から3ヶ月以内)
法人の代表以外の方が、担当者といて契約をする場合、
名刺、社員証、法人に所属していることの確認ができる書類が必要になります。
代表者からの委任状が必要となる場合もあります。
Step2 ~居住確認~

犯罪収益移転防止法の観点から、バーチャルオフィスの契約には郵便による居住確認が義務付けられています。
例として弊社では、簡易書留にてお申込みの住所宛てに英数字のコードをお送りします。
そのコードをお受取りいただき、メールでご連絡いただき次第のご契約となります。
弊社が運営するバーチャルオフィスNAWABARIではeKYCアプリで最短当日契約が可能!
前項で記載した通り、審査には普段お持ちの身分証では足りなかったり、郵便物を受け取るため契約までに時間がかかってしまうことがお分かりいただけたかと思います。
しかし、弊社ではeKYC(オンライン本人)制度を導入しているため、最短で当日契約が可能になっています!
審査方法はいたって簡単で、お手元のスマートフォンからアプリをダウンロードして、免許証両面の写真とアプリ内でご自身の顔写真を撮っていただき、アプリの送信ボタンを押して申請完了です。
これまでお話ししてきた、億劫な審査が格段に楽になり、急いで契約したい方にもうれしい制度になっているかと思います。
バーチャルオフィスの審査に通るためのコツ12選

バーチャルオフィスの審査は、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認に加え、運営会社が独自にトラブル予防のために行うチェックも含まれます。
ここでは、審査をスムーズに通過するための実践的なコツを12個に整理して紹介します。
1. 事業内容を具体的に詳しく記載する
申込書の事業内容欄に「物販」「コンサルティング」などとだけ書くと、運営会社は事業の実態をつかみにくくなります。
「アパレル雑貨の自社ECサイト運営」「IT企業向けの業務改善コンサルティング」など、扱う商品・サービス・顧客像まで含めて記載するのが理想です。
具体性は事業への真剣さや実現性を伝える指針にもなります。文章にして3〜5行ほどのボリュームで、「誰に・何を・どのように」提供する事業かが伝わるように書き起こしましょう。
2. 事業用のWebサイトやSNSを準備する
事業のWebサイトや公式SNSアカウントが整っていると、運営会社は事業の実在性を確認しやすくなります。
WEBサイトに関しては、完成度の高い大規模なサイトである必要はなく、サービス内容・代表者名・連絡先がきちんと示されていれば、問題ありません。
また、SNSの場合ももある程度の投稿実績や事業に関する発信履歴がある方が説得力を持ちます。
3. 本人確認書類を不備なく揃え、鮮明に撮影する
運転免許証やマイナンバーカードといった本人確認書類は、四隅まで写し文字が読み取れる鮮明さで撮影することが基本です。光が反射していたり、一部が欠けていたりすると、再提出を求められて審査が長引きます。
また、複数枚の書類提出を求められた場合は、いずれも同じ品質で揃えることが大切です。住所・氏名・生年月日が、申込書の記載と完全に一致しているかも事前に確認しましょう。
4. 審査担当者と丁寧かつ誠実なコミュニケーションを取る
メールや電話のやりとりは、審査担当者にとって「この人と長く付き合えそうか」を判断する目安です。返信が遅い、敬語が乱れている、質問に対する答えが不明瞭、といった対応はマイナスポイントとなります。
こうしたビジネスパーソンとしての基本が乱れていると、審査だけでなく今後の事業そのものにも悪影響を与えかねません。思い当たる方は、今から少しずつでも改善していきましょう。
5. 事業への熱意や将来性を伝える
現時点での実績も大切ですが、開業したばかりの場合はそれを語るのは難しいもの。
その場合「これからどう事業を伸ばしていくか」のビジョンが評価されます。事業計画の概要や、半年後・1年後にどんな状態を目指しているかを簡潔に伝えられるよう準備しておきましょう。
ただし、誇張や非現実的な数字は逆効果です。実現可能で具体的な計画を、自分の言葉で語ることが大切です。
6. 移転の場合は理由を正直に話す
すでに別のバーチャルオフィスを利用していて移転する場合、その理由を聞かれることがあります。「料金面の見直し」「拠点を都心に移したい」など、納得感のある理由を正直に伝えるのがベストです。
前のオフィスを途中解約してトラブルになった、料金未払いがあった、といった経緯は、聞かれてもいないのに自分から話す必要はありませんが、聞かれた場合は隠さないほうが無難です。後から嘘が発覚すると、信頼を一気に失うことになります。
7. 申込情報と提出書類の整合性を確認する
申込書に書いた住所と本人確認書類の住所が違う、氏名の漢字が一字違う、といった小さなズレが、審査落ちの原因になることは珍しくありません。
提出前に、すべての書類と申込内容を一度並べて見比べることを忘れないようにしましょう。
引っ越し直後で住民票の更新が間に合っていない場合は、その旨を事前に伝えておくと安心です。
8. 質問や追加資料の請求には迅速に対応する
審査の途中で「もう少し詳しく事業内容を教えてください」「追加で書類を提出してください」といった連絡が入ることがあります。
これに即日〜翌営業日中に対応できるかどうかは、オフィスからの信頼度にも少なからず影響を与えます。
もちろん、どれだけ忙しくても絶対即日か翌日、というほど融通が利かないものではありませんが、なるべく早く対応するよう心がけてみてください。
9. 代表者の経歴やプロフィールを提示する
事業の代表者がどんな経歴を持ち、なぜこの事業を始めるのかを伝えられると、信頼度が一段上がります。
職務経歴書まで作る必要はありませんが、A4一枚程度のプロフィール資料を用意しておくと、いざというとき提出できて便利です。
特に未経験分野での起業の場合、関連する経験や勉強の履歴を示すことで、事業の本気度を伝えられます。
10. 事業計画書や概要書を事前に作成しておく
事業計画書や事業概要書は、必ずしも審査で求められるわけではありません。ただし求められた場合にすぐ提出できる状態にしておくと、「準備が整っている事業者」という印象を与えられます。
11. 自身の業種がバーチャルオフィスで活動可能か確認する
バーチャルオフィスの利用には「来客対応が不要で、郵送物が少ない事業」が向いています。
逆に、来店型サービス(美容院、エステ、整体など)や、許認可で物理的な事務所が必要な業種(人材派遣、職業紹介、古物商の一部など)は、そもそもバーチャルオフィスでは事業を行えないケースがあります。
申し込み前に「自分の業種で利用できるか」を運営会社に確認しておきましょう。
12. 反社会勢力とのつながりは絶つ
バーチャルオフィスの審査では、犯罪収益移転防止法に基づき、反社会的勢力との関係性も厳しくチェックされます。代表者や関係者に反社チェックがかかった時点で、審査の通過はかなり難しくなるでしょう。
過去の人間関係や取引先の中に、心当たりがある場合は事業を始める前に関係を整理しておくことが大切です。
クリーンな事業基盤を整えることは、バーチャルオフィスの審査通過のためだけでなく、金融機関の口座開設や取引先との関係構築においても欠かせない土台となります。
審査に落ちてしまうケース6選

バーチャルオフィスの審査は一般的な賃貸契約の審査よりは通りやすいと言われていますが、以下のようなケースの場合、審査非通過となる可能性があります。
1、事業内容を詐称する。
氏名、住所はもちろん事業内容に詐称、虚偽があった場合、確実に審査落ちとなります。
2、必要書類が揃っていない。
審査を受けるには上記で記載した確認書類が必要となります。
行政で発行される書類もあるため、前もって準備しておきましょう。
3、反社会的な事業
暴力団などの反社会的勢力と関わりの疑いのある事業や犯罪に利用される恐れのある事業、政治的な目的での利用、宗教団体の事務所の利用などはバーチャルオフィスの利用は断られる可能性が非常に高くなります。
4、担当者とのやりとりが雑
高慢な態度をとったり、一般的なマナーにかけた振る舞いをすることで審査に落ちるケースもあります。
最低限のマナーやモラルは守り、審査担当者に不審感を抱かれないよう気を付けましょう。
5、情報の詐称
申込書に記載する氏名・住所・生年月日といった基本情報はもちろん、事業内容や事業目的にの詐称が発覚した場合、審査は通過できなくなります。
たとえば「物販」と申告しておきながら、実際には別の業態を行うつもりだった、というケースが典型例です。
運営会社は本人確認書類や事業実態と照合してチェックしているため、嘘は高い確率で見抜かれます。一度詐称が発覚すると、その運営会社では二度と契約できなくなるリスクもあるため、すべての情報は正直に申告しましょう。
6、バーチャルオフィスに向いていない事業
来客が多数訪れる事業、電話や郵送物が大量に届く事業、対面でのサービス提供が前提となる事業などは、バーチャルオフィスでは原則として受け入れられません。
具体例としては、美容・整体・教室系の店舗ビジネス、人材派遣業、古物商の一部、訪問販売型のビジネスなどが挙げられます。これらの業種では物理的な事務所や来客対応スペースが必要とされるため、バーチャルオフィスの審査に通る可能性は低いと考えておいた方が良いでしょう。

バーチャルオフィスの審査に面談がある場合の対策
バーチャルオフィスの審査では、書類審査だけでなく対面またはオンラインでの面談を実施する運営会社もあります。
面談は事業の実在性や信頼性を確認するための場ですが、それほど重く捉える必要はありません。いくつかのポイントを押さえた上で誠実に臨めば、問題ないでしょう。
【面談前に準備しておくべきこと】
- 事業説明の準備
- 想定質問への回答
- 持参資料の整理
- 服装・身だしなみを整えておく
面談の場でよく聞かれるのは「具体的にどんなサービスを誰に提供しているのか」「現在の事業規模はどの程度か」「なぜバーチャルオフィスが必要なのか」といった、事業の実態と利用目的に関する質問です。
これらの質問に対して事前に答えを丸暗記する必要はなく、自分の言葉で、自然体で語れる方が好印象につながります。
まとめ

いかがだったでしょうか。対策はシンプルなもので、普通に正直に聞かれたことに答えられれば審査に落ちることはなさそうです。
確認書類を揃え、申込内容を詐称なく提出し、担当者とのコミュニケーションをしっかりととる。それさえできていればバーチャルオフィスの審査はパスとなるはずです。



