最近認知が上がっているバーチャルオフィス。コロナ禍の影響もあり、新規開業時だけでなく、元々の事務所を手放してバーチャルオフィスを選択される企業も増えてきています。
ただ格安で住所をレンタルできる性質上、信頼性の問題から法人口座が開設できるのか心配という声をよく耳にします。
それ以外にもバーチャルオフィスだと融資が受けられないという話を聞くこともあります。
今回は、バーチャルオフィス利用者のみなさまの不安を払拭すべく、住信SBIネット銀行で法人関連サービスの企画を担当するSME事業部長の大杉氏にインタビューをさせていただきました。
- SME事業部 大杉さんのプロフィール紹介
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2014年 信託銀行に入社。資産流動化業務に従事し、ABLの組成等を担当
2017年 住信SBIネット銀行に入社。オンラインレンディングやキャッシュレス決済サービス等、中小企業向けサービスの企画・推進に従事。現在は、現職にて事業者向けサービス全般を所管し、事業者の顧客基盤の拡大・オンラインレンディング拡大の責を負う。
銀行という立場からみた現在のバーチャルオフィス
山口:大杉さん本日はよろしくお願いいたします。
まずはバーチャルオフィスというサービス自体はご存じでしたでしょうか?
大杉:はい、存じ上げています。
実際に事務所を借りるよりも大幅にコストを下げられるため、最近特に企業での採用率が高まっている印象です。
山口:バーチャルオフィスを利用していると法人口座を開設する際、難しいのでは?というお話を聞くことがあるのですが、実際のところどうなのでしょうか?
大杉:そういうお話をお聞きすることがありますね。金融機関ごとに定められているので一概には言えないと思います。
当社の場合、法人口座開設審査にあたり、バーチャルオフィスであることを理由にお断りすることはございません。
あくまでも、総合的な情報をもとに審査が行われています。
山口:バーチャルオフィスを使っていること自体が審査に影響することはないんですね!
住信SBIネット銀行なら最短翌日に法人口座開設!
山口:実際に法人口座を開設する際はどのような手順になるのでしょうか?
大杉:オンライン口座開設の場合、5つのステップで完結します。
- Webのフォームからお申込
- スマホで本人確認
- 審査
- 法人口座開設
- キャッシュカードのお受取り
特に中小規模の法人さまの場合、代表者のかたがそのまま申し込みしていただくケースが多いのですが、まずは法人口座申込のWebのフォームに必要事項を記入いただき、その後、口座開設されるかたの本人確認の手続きをしていただくという流れです。
本人確認の手続きは、スマートフォンのみで行うことができます。スマートフォンで行う場合、必要な書類は運転免許証のみで登記簿謄本などは必要ありません。
他行では対面面談を実施したり、多くの書類が必要なケースもありますが、当社では面談の実施はありませんし、提出いただく書類は開設されるかたのご負担にならないよう最低限のものにとどめています。
山口:私自身も店舗に行って窓口に行ってとか、そういう手続きが大変だったのでとても良いですね。
お申込の後はどのように進むのでしょうか?
大杉:お申込後は審査が行われ、最短だと翌日には口座開設完了のお知らせがメールで届きます。その後、キャッシュカードをその法人さま宛に郵送しますので、それを受け取っていただいたら口座が使えるようになります。
山口:法人口座というと難しい審査や手続きが何段階かあるのかなと思っていたのですが、本当に簡単なんですね。
ネット銀行のメリット
山口:ネット銀行とメガバンクを比較した際のネット銀行ならではのメリットはどんなものがあるのでしょう?
大杉:まずは手数料が安いところが一番ですね。
やはりメガバンクだと人員も多いし全国に店舗がある。それが費用にも反映されていると思いますので、どうしても手数料は高くなってしまう印象です。
例えばメガバンクでもインターネットバンキングを法人で利用することは可能ですが、そこでも口座維持手数料と月額の利用料がかかり、他の金融機関への振込手数料は数百円かかります。
一方で、弊社のようなネット銀行は、窓口も無く、極力人の手もかけていないので、振込手数料が格安で、口座維持手数料など月額利用料もかかりません。
さらに振込手数料でいうと、一般的な銀行だと窓口に行くと他の金融機関宛には1件700~800円かかるところ、弊社では145円となり、元々かなり抑えております。その中でも振込回数が多ければ多いほど振込手数料が段々と下がっていくようなプログラムを弊社は提供しておりますので、振込回数が多ければ多いほど最安130円まで下がります。
山口:数百円とか、半額以下とかになってくるとチリツモじゃないですけど、期間が長くなるとかなりお得になりそうですね。
大杉:法人口座のほぼすべてのお取引がアプリ一つで完結するというのは他行では少ないと思います。一方当社では振込や入出金の履歴の確認がいつでもどこでもできるのはもちろんのこと、アプリでATMを利用できるので、キャッシュカードを持ち歩く必要がありません。
山口:それはとても便利ですね。なんだかんだ毎月色々なところに振込したりすることも多いと思うのでそこの手間が省けるのは大きいですね。
バーチャルオフィスでも融資を受けられる時代
山口:法人口座もそうですが、バーチャルオフィスを採用している会社さんは融資が受けられないというものを耳にしたことがあります。 これについてはいかがでしょうか?
大杉:弊社では事業性融資daytaという商品があります。事前の相談やお申込が不要で、住信SBIネット銀行の口座を使っていると、AIが取引の履歴などから条件を算出して、例えば「今月は300万円、3%で借りられますよ」といったオファーを弊社から先に出すという融資を、バーチャルオフィスの利用の有無を関係無く提供させていただいております。
一般の融資だと、まず事業計画書を作って、自らいくら借りられますかという相談に行って、そこからいくらなのか、利息は何%なのかとかなりステップを踏まないといけないと思います。
一方で事業性融資daytaではそのような事前のお申込や相談などが不要で、口座を使っているだけで、「今だったらこんな条件でいくら借りられますよ」というオファーが届きます。オファーを受け取ったら必ず借りないといけないということもなく、運転資金が必要だなとなった時に、ポチポチッとWeb上で手続きをしていただければ、最短当日に入金されます。
山口:普通の融資だと1〜2ヶ月かかると思うのですが、最短で当日の借入はすごいですね・・・驚きました。
大杉:ありがとうございます。
また、中小企業の融資といえば、日本政策金融公庫で事業資金を借りられる制度があるのですが、弊社はその借りたお金を返済する際の口座として設定できるため、融資を受けるためだけに追加で他の法人口座を開設する必要はございません。
山口:公庫との連携で引落可能な口座に指定されてるかされていないかって大きいですよね。
住信SBIネット銀行ならではの強み
山口:ネット銀行も色々あると思うんですけど、住信SBIネット銀行さんならではの強みはありますか?
大杉:弊社ならではかはわかりませんが、最近Pay-easy(ペイジー)に対応いたしまして、「ペイジーが使えるようになったことで、全ての取引を1つの口座でできるようになって便利です」とのお声も多くいただいており好評です。
また、まだリリースはしていないのですが「バーチャル口座(※)」という専用口座を発行できるサービスを追加予定です。
特にECなどでご利用いただいているような法人さまでは、AさんBさんCさんと商品を販売し、どの振込が誰のものかを確認する作業が大変なのですが、「バーチャル口座」で購入者ごとに専用の口座番号を発番して案内することで、誰が振り込んでいて誰が振り込んでいないかすぐに分かります。
山口:確かに口座名義と購入者名を一緒にしてとお願いしても、名義違いで振込をされるかたもたまにいらっしゃいますから確認するのは大変ですよね。
しかも、NAWABARIはEC関連の事業者さまが多いのでこれはとてもありがたがられると思います。
※取材時点。バーチャル口座は2024年7月31日よりサービス開始。
NAWABARIの会員さま限定で振込手数料がさらにお得に!
大杉:NAWABARIさんと提携させていただいているので、口座申込時、Webの申し込みフォームにご入力いただくNAWABARI会員さま限定の専用コードを発行させていただきます。
山口:そのコードを入力すると何か特典を受けられたりするのでしょうか?
大杉:はい、先ほど安いと申し上げた振込手数料ですが、口座開設から10ヶ月間は毎月振込手数料を10回無料とさせていただきます。
山口:それはとてもありがたいですね!
最後にこれからバーチャルオフィスを登記して、口座を持って事業を頑張って行きたいというかたに向けて何かメッセージがあればお願いします。
大杉:銀行口座は法人経営において重要なツールの1つだと思います。店舗のある一般的な銀行では、銀行取引以外の相談が出来るなど、コンサルティングのような機能もあると思います。一方で弊社のようなネット銀行はいつでもどこでも使えて、手数料が安い。それぞれの銀行の良いところを理解し、活かして効率的に使い分けると良いと思います。
山口:なるほど、それぞれのメリットを利用するのはとても合理的で良いですね。
大杉:そうですね、特にバーチャルオフィスを使われるようなかただと、利便性やコスト削減を意識されるかたかなと思うので、法人口座の観点でも、それぞれの銀行のメリット・デメリットを気にして選択いただけると良いのかなと思いました。
山口:分かりました。今日は色々とお話ありがとうございました。
大杉:ありがとうございました。